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ベルギーについて

知っていそうであまり知らない国、ベルギー。OKAYの生まれ故郷ベルギーを少しご紹介します。


ベルギーという国

ベルギーは首都ブリュッセルを境に北方をフランドル地方、南方をワロン地方といい、言語も文化も異なる2つのエリアがあります。フランドル地方ではオランダ語、ワロン地方ではフランス語が使われ、ブリュッセルではどちらも使われています。一部ドイツ国境付近ではドイツ語が使われている地域もあります。公用語はオランダ語とフランス語です。
ベルギーは地理的にもヨーロッパの中心にあり、面積は約3万平方キロ(日本の四国の1.5倍くらい)です。人口は約1000万人です。
首都ブリュッセルは、EUやNATOの本部があるモダン国際都市であり、また、ヨーロッパが最も輝いていた近世の香りが漂う街です。
ベルギーは国民一人あたりのレストラン数がヨーロッパ一で、美食の国といわれています。フランドル地方ではムール貝、小海老、オマール海老などの海の幸が豊富です。ワロン地方では生ハム、川魚のほかシカ、イノシシ、キジなどの野禽料理が食べられます。また、ベルギーはお菓子がおいしいことでも有名。特に、こくのあるまろやかなチョコレートは日本でも大人気です。ゴディバ、ノイハウスなど、有名ブランドも数多くあります。
そして忘れてはならないのがビール。土地ごとのの地ビールが豊富で、その数400種類以上。味も驚くほどバラエティに富んでいます。

首都ブリュッセル

ベルギーの首都ブリュッセル。ブリュッセルは建都1000年を迎える古都です。それと同時に欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の本部があり、各国から重要人物が訪れるヨーロッパの首都でもあります。そんな重要な近代的都市ですが、歴史的建造物も多く、不思議とくつろいだ雰囲気に満ちています。街の中心には「世界一美しい広場」と賞されるグランプラスがあり、街歩きの起点となっています。

有名な小便小僧
ブリュッセルにあります。1619年に作られ、長年市民に親しまれています。世界各国より友好のしるしとして衣装が贈られています。

夜のグランプラス
ブリュッセルの街の中心にある広場で、その美しさは古今の芸術家に愛されています。

ブリュッセル
ヨーロッパ近世の香りが漂う街並です。

橋の町ブルージュ

ブルージュはベルギー北西部にある観光都市。西フランドル州の州都です。町の名ブルージュは橋を意味する言葉で、古代ローマ時代に架かっていた橋に由来します。ブルージュは町の中を縦横に運河が走る風光に恵まれた水の都で、その景観をたたえられ「屋根のない美術館」とも呼ばれています。
11世紀には英国からの羊毛の輸入港として、またさまざまな物産の中継地として繁栄しましたが、次第にフランドルの毛織物工業が衰退し、それに伴い失堕していき、活気はなくなり時代から取り残された町となってしまいました。
現在、ブルージュがベルギー一の観光都市となったのは、死都となった分、中世の面影を留めているからです。古い町並みがこれほど美しく残る町はほかに類をみません。

橋のある風景
町の名ブルージュは橋を意味する言葉で、古代ローマ時代に架かっていた橋に由来します。

運河
ブルージュは町の中を縦横に運河が走る風光に恵まれた水の都で、その景観をたたえられ「屋根のない美術館」とも呼ばれています。

市庁舎
ベルギー・オランダ地方最古のゴシック様式市庁舎。1階には木製多色の美しい丸天井や壁画などが見事なゴシック様式のホールがあります。

芸術の都アントワープ

アントワープは、ブリュッセルから約50km、スヘルデ川の河口に位置する世界第三の港を持つ都市。人口48万のこの町はブリュッセルに次いで二番目に大きな町です。
15世紀後半にブルージュを追い越してフランドル地方の毛織物交易の中心地となり、さらに16世紀にはスペインやポルトガルが植民地から仕入れた品物をさばき、隆盛をきわめました。一時スペイン領となりさびれましたが、現在は臨海工業地帯としてにぎわい、バロック芸術の花開いた芸術の都、ダイヤモンド研磨工業の中心地です。
また、名作「フランダースの犬」の舞台となった町としても知られています。

ノートルダム大聖堂
ベルギー最大の教会。内部にはたくさんの芸術作品がありますが、必見はルーベンス。特に名作は「キリスト降架」で、「フランダースの犬」のネロが見たいと切望した作品です。

トラム
トラムは市民の重要な足です。

ネロとパトラッシュ
ホボケン村に立つネロとパトラッシュの像。

古都ゲント

ゲントはベルギー西部に位置する美しい水の都。スヘルデ川とレイエ川の合流点にあり、運河が細かく流れるさまが「20の島に70もの橋が架かる町」と形容されることもあります。
運河によって北海と結ばれ、大型の外洋汽船も出入りができます。地理的条件に恵まれたため早くから開け、16世紀には黄金時代を迎えブルージュと並んで北方ルネサンスの発祥の地となりました。旧市街には中世のギルドハウスが建ち並び、古都の香りが漂います。
現在ではベルギー第二の港を持つ工業都市であり、園芸の盛んな花の都でもあります。「青い鳥」の作者メーテルリンクの生まれ故郷としても有名です。

古い町並み
中世ヨーロッパの色香が漂います。

聖バーフ大聖堂
12から16世紀にかけて建てられた大寺院。堂内にはファン・アイク兄弟が描いた祭壇画「神秘の子羊」があります。この作品は「ベルギーの七つの傑作」に数えられる不朽の名作です。

ギルドハウス
川沿いに華麗なギルドハウスが建ち並びます。

リエージュ

リエージュは、ムーズ川とウールト川の合流点に位置するベルギー・ワロン地方の中心的都市です。ブリュッセル、ドイツ・ライン地方、アントワープ、北フランスなどと道路で結ばれる交通の要所であり、ケルンとパリ、ブリュッセルとルクセンブルグ間を走る鉄道が交差する町です。すぐそばにはオランダ国境が控えており、古くから交易の中継地として西ヨーロッパの十字路の役割を果たしてきました。
リエージュは、8世紀頃から約100年の間、司教領の首都として隆盛をきわめた、いわば宗教都市でした。また、中・近世においてはヨーロッパ屈指の鉄砲の産地としても知られています。現在は人口20万、ベルギー第四の都市です。

聖バルトロマイ教会
11世紀に着工し、12世紀に完成したロマネスク様式の教会。ここに収蔵されている真鍮製の洗礼盤は「ベルギー七つの傑作」に数えられるもので、聖書のエピソードが浮き彫りにされています。

君主司教宮殿
君主兼司教(プリンス・ビショップ)が住んだ宮殿。現在のものは16世紀に作られたルネサンス様式の建物で、南側の一部は18世紀に再建されています。現在は州政府庁舎兼裁判所として使われています。

ビューラン山の階段
373段の石段を登るとリエージュ周辺を一望できます。この階段は、15世紀の貴族ヴァンサン・ド・ビューランを記念して1875年に作られました。

食通の国

ベルギー人が食に注ぐエネルギーは格別なものがあります。フランス人と同様に「うまいものを食べるために働く」という人が多いようです。隣国のフランスから入ってきた調理法を喜んで受け入れたという歴史をみてわかるように、食べることへの考えと調理方法がフランスに類似してはいますが、ベルギー人はさらにそこに郷土色を盛り込み、中には名物のビール料理のように独自の発展を遂げたものもあります。諸外国ではフランスの地方料理の一つのように考えられていてとても評判です。このことからベルギー人をグルメの国の人と呼ぶ人も少なくありません。また、自ら「食通の国」といってはばかりません。

朝食

フランスなら香りのいいクロワッサンにカフェオレ、イギリスならカリカリに焼いた薄切りのトーストとミルクティーが一般的ですが、大食・美食で知られるベルギーの人たちの朝食は、どのようなものなのでしょうか?やはり何はなくとも、パンとコーヒーが基本です。しかし、食に情熱を傾けるベルギー人は、朝薄暗いうちから焼きたてのパンを買いにいき、パン屋の前には長い行列ができるほどです。日本ではなかなか見ることのできない光景がベルギーでは見られます。ベルギーの家庭用のパンはたいてい「甘党派」と「辛党派」があり、「甘党派」のパンは。一般にペストリーと呼ばれるパイ生地状のパンの中に、チョコレートやカスタードクリームやジャムなどいろいろなものが入っています。レーズンが生地に混ざり、シナモンと砂糖がかかったものが代表的。これら甘いものが通称「コーヒークック」と呼ばれおやつにも食べられます。対する「辛党派」のパンは塩味が強く、フランスパンのように外はカリッと中は柔らかくふんわりしている白パンでクロワッサンなどもこちらです。

朝食のサイドメニューには、肉屋やお総菜屋などで買える「シャルキトリー」と呼ばれる実に種類が豊富なハムやチーズ、ペースト類がたくさん食卓に並びます。それにバターやジャムはもちろん、ビン入りのチョコレートやピーナッツペースト、ハチミツなどが欠かせません。たくさんの食材に加え、それらを食べる際に必要な道具がテーブルに所狭しと並びます。チーズの塊やパンを切る専用のナイフも日本では珍しいですが、中でも目を引くのはお皿の代わりに小さなカッティングボードを使うことです。ひとりひとりがボードの上でパンを切ったりバターを塗ったりして好みのサンドイッチを作って食べます。これが意外とピクニックのようで楽しそうです。
卵料理も朝食に多く出ます。まずポピュラーなのはゆで卵です。このゆで卵のゆで具合にも個人個人のこだわりが伺えます。オムレツもよく作りますが、ベルギーのオムレツはオランダ語で「馬の目」と呼ばれるクレープ状の平型。薄くのばした溶き卵にチーズやハム、マッシュルームなどを好みで載せて焼き上げます。

朝食の際の飲みものは、コーヒーや紅茶が一般的。子供たちはホットチョコレートなどをよく飲みます。カフェなどで飲むとよくわかりますが、ベルギーのコーヒーはエスプレッソに近い感じの濃いめで、逆に紅茶などは薄めです。変わったところでは、シコンコーヒーというのがあります。ベルギーの名産のアンディーブ(チコリ)の根を原料に作られる液体は、コーヒーのような茶色でほろ苦い味わいがどことなくコーヒーに似ています。戦時中の食料不足の時代は、コーヒーの代わりにこのシコンコーヒーが飲まれていたそうです。いまだに年配の方を中心に、朝はこのシコンコーヒーを飲んでいるという人もいるようです。観光客が町のカフェでシコンコーヒーに出会うことはなかなかありませんが、スーパーなどで手に入れることができます。

石の文化

ヨーロッパは石の文化だとよくいわれますが、ベルギーも例外ではありません。レンガ造りの家やあちこちの公共の場に立つ石の彫刻や記念碑などが象徴的です。また、多くの道も石畳で覆われています。車通りも少ない静かな路地では、石畳が静かな小波のように見えます。この石畳を踏むと足の裏にゴツゴツとした異国情緒が感じられるものです。石畳の模様にもいろいろあって、横一列に整然と並んでいるところもあれば、互い違いに扇形に並べられたところもあり、石の文化と呼ぶにふさわしい芸術的な要素がヨーロッパには感じられます。石畳の道路を工事するときなども、取り外された石畳は山と積まれ、工事が終わるとまた元通りに何事もなかったかのように組み込まれます。ベルギーでは道路工事の人たちも、昔の職人が組んだ形を崩さず、古くからの文化を守っています。

職人

ベルギーで職人の仕事が大きく評価されはじめたのは、中世までさかのぼります。特に12世紀にフランダース地方ではじまったレースなどの布織物は、高級な交易品として国に大きな繁栄をもたらしました。15世紀には5万人を超える職人がいたようです。この頃の職人や商人たちが作った組合(ギルド)が、今もあちらこちらで見られる華やかな建築物や文化、芸術に大きな影響を残しています。今ではその数は減ってしまったものの、レースなどの織物はベルギーを代表する工芸品です。ブルージュやブリュッセルを中心に技術を今に伝える職人たちが多くいます。ベルギーの伝統的な手仕事の熟練工といえば、「アントワープカット」で有名なダイヤモンドの研磨職人や、ヴァン・サン・ランベールのクリスタル器の職人など、由緒正しい伝統的な手工業は多く数えられます。しかし、今となってはそういった「格式ある職人芸」は、町の博物館かお土産屋さんぐらいでしか見られないようになってきています。
現代のベルギーにおける「熟練技術者」といえば、ショコラテリー(チョコレート屋)の職人さんでしょう。最近日本でも、パティシエ(菓子職人)ということばが一般的になってきていますが、一粒一粒丁寧に作られているプラリネ(一粒タイプのチョコレートで中にはアーモンドやバタークリームなどが入っている)は、まさにベルギーが世界に誇る職人芸です。プラリネだけでなく、溶けたチョコレートを使い熟練の技術とアイデアをフルに発揮して作られる家や彫刻などは、本職の職人さんも驚くほどの出来栄えです。そして、ベルギーの人は、これらの芸術的なプラリネを特別なときに買うわけではありません。誕生日のお祝いやプレゼントはもちろん、食後のおやつとして楽しむために店に立ち寄り、数粒から数キロ単位までテイクアウトして楽しみます。
世界では最近、人間に成り代わって様々なことを機械が行うようになってきていますが、ベルギーでは手の温もりと卓越した業がまだまだたくさんあります。口にするもの、身にまとうもの、住む場所、歩く道・・・伝統と技を受け継ぐ精神は、身近なところで発見できます。これからも石畳の道のように延々と続いていくことでしょう。

小便小僧

世界的に有名な「小便小僧」は、ベルギーの首都ブリュッセルのシンボルです。この「小便小僧」はファンタジーの中の人物で、ベルギーの人たちはまるで「空想」と「現実」のボーダーレスを楽しんでいるようです。銅像の由来は、敵が町に火を放とうとした導火線を一人の男の子が見つけ、自分にできる唯一の方法で導火線の火を消し町を救ったとか、とある公爵の息子が闘いの最中に木におしっこをしていたところを捕まえられたが逆にそれが勇敢さの象徴となって作られたなど、話の出所は定かではありませんが、そんなことと関係なくベルギーが世界に誇るユーモラスな有名人になっています。
「小便小僧」とはまた別に、グランプラスの一角に横たわる黄金像「セルクラエス」は、14世紀の実在の人物らしいのですが、なぜか「右手に触ると幸せなれる」という、これまた神秘的な言い伝えで人気があります。

ファンタジーな世界

ベルギーでは大人から子供までみんな漫画が大好きなようです。ベルギー人のエルジェが創作した「タンタン」は今や国民的なアイドルです。その他にも人気作品が次々と生まれ、ブリュッセルには漫画博物館もあるほど、ベルギー漫画のファンタジーな世界は「芸術文化」として認知されています。
もう一つ有名なお話として「青い鳥」という物語があります。世界中で有名なこの物語は、ベルギーのゲント出身の作家メーテルリンクによって作られたもので、幸福を探して兄妹が旅をするお話ですが、日頃、身の回りにある食物や動物が精霊として現れたり、青い鳥を探し出すまでの迷路のような道のりは、子供心にしてみれば恐怖です。しかし、その物語を読むと不思議な説得力を持って心に残るお話です。このような「空想の世界」を通じて「現実や真理」を鋭く解釈するお国柄なようです。
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