コラム「ちょっとインテリア」 |

籐(ラタン)家具というとリゾートや南国、‘夏’のイメージがあるかもしれません。見た目にも爽やか。通気性があり、涼しく快適に使える素材です。逆に冬には向かないのかというと、決してそうではないのがラタンの魅力。自然素材なので、夏涼しく冬は暖か。家具として加工されても呼吸をしているので、夏のじめじめした時期には湿気を吸い、乾燥した冬には水分を放出してくれます。 ひとつひとつ手作業で編み込まれたラタンの家具は、手作りの温もりも感じさせてくれます。夏は爽やかに、冬は暖かく、1年中楽しめるのが籐の家具です。 |
| エコマテリアルとは、少ないエネルギーで作って使って処分することができ、環境にあまり負荷をかけない材料のこと。 木材は他の人工的な材料と比べるとエコマテリアルです。人工的に乾燥させたり合板に加工したりするにつれ使用するエネルギーは増え、環境への負担は大きくなります。コットンは自然素材で一見エコマテリアル。ところが、害虫の被害を受けやすいので大量の農薬を使います。綿花の収穫の際にも大量の枯葉剤を使います。残留農薬は徐々に薄れるので製品として問題はないとしても、一切の化学薬品を使わないオーガニックコットンと通常栽培のコンベンショナルコットンとでは、環境にかける負荷が桁違いなんです。 籐家具は天然素材100%。職人がひとつひとつ手作業でつくりあげます。環境への負荷が少ない上、3〜5年で成長し、空気中の炭酸ガスを固定してくれるという点でも優れたエコマテリアルといえます。 |
籐家具は壊れやすい、あるいはほつれやすい、寿命が短いと思われているかもしれませんが、これは間違い。ラタンの特性は、「軽い」「しなやか」、そしてとても「強い」ということ。曲げたり、細く割いて巻いたり自在に加工することができ、ひとつひとつ手作業で組み立てられています。職人の手によって仕上げられた籐家具は、軽く、ほどよくしなってフィットし、そしてとても堅牢。 ほつれを直し、きちんとお手入れしながら使えば、籐家具は一生付き合える丈夫な家具です。 |
ラタンは湿気を嫌いますが、極度の乾燥も嫌います。天然の素材なので、呼吸し、時には伸縮し、カビも生えます。しかし、きちんとお手入れすれば一生使える家具です。□ 普段のお手入れは乾いた布でからぶきか、はたきでホコリをはらってください。隙間にたまったホコリには、掃除機のブラシノズルを使いましょう。 □ ひどい汚れはぬれ雑巾でふき、余分な水分はすぐにふき取ってください。頻繁にぬれ雑巾を使うと、艶がなくなってしまう場合があります。 □ 水洗いもできます。水分をしっかりふき取って、陰干ししましょう。 □ スプレー式の透明アクリルラッカーを吹き付けると、傷が目立たなくなり艶が出ます。シンナーや科学ぞうきん、研磨剤などは使用しないで下さい。 ■ 巻いた籐がほつれたら 元通りに締めなおし、木工用ボンドで留め、しっかりつくまで布や太い紐などで固定しておきます。ほつれが広がらないよう早めに対処しましょう。 ■ カビが生えてしまったら ぬれ雑巾やブラシなどで取れないときは、市販のカビ除去剤を水で薄めて網目に沿ってふき、固く絞った雑巾できれいにふき取ってください。 ■ 長く使っていないものを出して使うときは ホコリをきれいに払い、固く絞った布で軽く湿り気を与えてから使うと、切れたり傷んだりしません。 |
ラタンはヤシ科のつる性植物。ほとんどがインドネシア原産、その他フィリピン・マレーシア・ミャンマーなど熱帯雨林のジャングルに自生する、とても生命力の強い植物です。鋭いとげで他の樹木に絡みつきながら、太陽の光を求めて上へ上へと伸び、時には数百メートルにも成長します。字が似ていますが、ラタンはたけかんむりの「籐(とう)」、くさかんむりの「藤(ふじ)」はマメ科の落葉低木です。竹と同じく節がありますが、割ってみれば竹は空洞、ラタンは繊維がぎっしり詰まっています。 ラタンの特性は軽さ・しなやかさに強じんさを兼ね備えているということ。太いものは曲げてフレームに、細いものは割いて編み込んだり巻いたり、自在に加工できます。曲がりやすく折れにくいので複雑な曲線も自由にデザインでき、もともとの素材感と相まって、あたたかみのある優しい家具になります。 |